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CoolPix950で天体写真を撮ろう!


「お月さんを撮る」シリーズの第3弾となります。だいぶ本格的になってきました。今回は、「天体望遠鏡」を使っての撮影です。


デジタルカメラをどれにしようかと考えてみて、天体望遠鏡に最も取り付けやすいのは手持ちではニコンのCoolPix950(以下、E950)であることが解りました。これは、まずレンズの口径が小さいこと。大きいレンズ口径のデジカメでも勿論撮影は出来ますが、小さいほうが望遠鏡との光軸を合わせ易く、なんてったって望遠鏡への取り付けが容易!

E950と天体望遠鏡との取り付け方法は以下の通り。

用意するのはケンコーから発売されている28mm→37mmのステップアップリング(下の写真)。それに天体望遠鏡に付属する接眼レンズ(下の写真)。それと瞬間接着剤!



ステップアップリングの内側の面に瞬間接着剤をベッタリと塗り、接眼レンズをビタ〜っとくっつけます。




上の写真のように合体すれば完成。このとき、限りなく光軸が真中に来るように接眼レンズをステップアップリングの中心に接着します。





この接眼レンズ付きステップアップリングをE950に取り付ければカメラ側の準備完了。凄い横着なやり方にも見えるでしょうが、これが一番手っ取り早くて単純でいながら天体望遠鏡にデジカメを取り付けられてしまう裏技!?だったりします。




天体望遠鏡に取り付ける際は接着剤での接合部が取れてカメラが落下する事を考慮して、必ずストラップを天体望遠鏡に巻きつけます。写真では撮影用に緩んでいますが、もうちょっとしっかりくくりつけてください。撮影時以外はカメラを外し、撮影するときは手で支えながら落下を防いでください。

ここで利用した天体望遠鏡は、安売り店で1万円以下で買えるような代物です。高価な精度の高い天体望遠鏡とは比較出来ませんが、接眼レンズを接着剤でくっつけるのも躊躇しないで出来ますし、お月さんを撮るのならこの程度でも十分。

撮影方法ですが、E950のズームをテレ端にし、必ず「スポット測光」で撮影します。解像度を稼ぐため、最高画質で撮ってください。最高画質でも、白黒の世界なのでファイルサイズは大きくなりません。「セルフタイマー」のモードにしたらフォーカスをマニュアルでインフィニティー(画面ではINFで表記)にセット、天体望遠鏡のピントダイヤルを微調整しながらE950のモニターでフォーカスを確認します。この作業は結構難しい。決まったらシャッターボタンを押し込みます。絞りは絞った方がピントが合いやすくなりますが、絞ると撮影範囲が中心のみになります。よってここでは開放値で撮影しています。


では!その撮影結果を見てみましょう。


撮影画像
クリックすると元画像に!


お月さんは丸いからそんなに影響する訳ではないですが、四隅はケラレてます。それにしても美しい。デジタルズームとかテレコンとかの比較にならないほど、大きく綺麗です。感動します。


このサムネイル画像はアンシャープマスクを掛けてますから見掛けはシャープになってますが、実際の元画像は大気の揺らぎやらピントの微妙なズレやら、天体望遠鏡の性能やらでそれなりにボケた感じにはなっています。これを超えた画質を求めるならば、やっぱり天体望遠鏡の精度が重要になってくると思います。
それにしても綺麗だな〜。


2001年12月11日