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デジタルカメラ研究マガジン デジタルカメラ大実験

PENTAX
EI−2000
使用レポート
ISO感度別ノイズ

旭光学のPENTAX EI−2000(以下EI-2000)はいくつかの特徴的な機能を備えた一眼レフデジタルカメラとして2000年9月の発売されました。しかしながら、昨今の激戦区であるデジカメ市場においては、ほとんど取り上げられることも無く、先日、発売完了となってしまっています。最近ではカメラショウの話題として、このEI-2000の後継機である300万画素モデルのアナウンスも有ったようですが、それがEI-2000と対照的な華やかな運命をたどるかどうかは全くわかりません。
そこで、デジ研ネットではEI-2000を実際使ってみて、余り知られていなかったこのカメラの特徴などをレポートして行こうと思います。

最初にEI-2000の最大の特徴として、フレームトランスファー方式(以下FT方式)のCCDが挙げられます。FT方式については詳しく述べると論文のように長くなってしまいますので詳細は割愛しますが、簡単に述べると、光を受ける部分の開口効率が高いため、高感度でダイナミックレンジが広く、画質面で有利な点が最大の魅力なCCDであります(のハズです)。
更に、EI-2000には総画素数224万画素の2/3インチCCDが搭載されているため、大きなCCDにFT方式の「写真」は実に興味深いのであります。

一度にすべてを見ていくのは無理なので、今回はISO感度の設定とノイズの出方、それに実写画像を紹介して行きます。

各感度別のノイズ
(実寸画像の一部を切り取り)
クリックすると元画像を表示

ISO感度25

ISO感度50

ISO感度100

ISO感度200

ISO感度400

EI-2000にはISO感度を25〜400まで任意に設定できます。数値が低いほど低感度になる反面、ノイズが減り綺麗な画像になります。上のチップで見てみると、ISO感度25はノイズがほとんど有りません。次いで50と100が同程度の僅かなノイズ、ISO感度200ではかなり浮いてきており、ISO感度400になると、もうザラザラ状態。
結果、出来るだけISO感度は25か50に設定して撮影したほうがよさそうです。ちなみに、緑色だけ平面にノイズが乗ったような発色になっているようですね。


実写画像
(クリックすると元画像を表示)

F3.9
1/281s
ISO感度25

F3.9
1/330s
ISO感度25
マクロモードはテレ端で最短2センチまで被写体に接写できます。テレマクロの為、被写界震度は大変浅く、前後のボケ味は素晴らしいです。反面、合焦域が前後数ミリしかないので、ピント合わせには苦労します。絞り値は任意に設定出来ますので、開放値よりも一段絞ると失敗率は減りますが、ISO感度25のノイズレスな環境を維持したいので、太陽光の当たっている被写体以外は三脚必須になります。
更に、EI-2000のオートフォーカスが余り精度が高くないので、被写体をしっかり中心においても、ピントが後ろに回ってしまう事が結構多いです。マクロの場合は一枚ずつ撮影プレビューを見てチェックする必要があります。液晶モニターはポンッと上に跳ね上がるので、マクロ撮影に向いているような記事もありましたが、この液晶モニター、全く屋外では画像を認識できません。やはり、一眼レフカメラとして、光学ファインダーのみで撮影する事をお勧めします。


F7.8
1/125s
ISO感度50


F3.9
1/54s
ISO感度50




F6.0
1/120s
ISO感度200



2001年5月22日