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デジタルカメラ研究マガジン デジタルカメラ大実験

一眼レフ式デジタルカメラ
PENTAX EI−2000 
やっぱり難しいぞ、の巻

PENTAXのEI−2000はマニュアルモードで撮るべしって事となりつつありますが、マニュアル露出の場合、露出が+−1.0EVと大味な仕様が頂けない。結果、非常に難しい。これならプログラムAEにまかせたいが、やっぱりカメラまかせの露出の決定値が何とも自分の理想値と合わないのであります。


F6.0
1/30s

F6.0
1/60s

上の2枚の写真は、絞り固定でシャッタースピードを1段ずらした物。右側の写真の露光値よりも本当は+0.3EVしたい所が、仕方なく+1.0EVにすると左の写真まで派手に空が飛んでしまいます。もうちょっと空の色調は粘ってもらいたいのに、このカメラ、特に淡い色である「空」は露出の微妙な差で劇的に変化するクセを持っています。

うまく露出がはまれば、このカメラ独特の良い写真は撮れます。

F3.9
1/250s
適正露出の例
背景のビー玉ボケなんかが魅力的だったりします。カメラがはじき出す適正露出値よりも−1.0EV程アンダーにすると、上の写真みたいな階調感があって重みのある写真が撮れたりします。つまりは、アンダー側にラティチュードの粘りがあります。

これをプログラムAEで撮りたいところですが、プログラムAEのおかしなところは、ホワイトバランスを固定してても異様に色調がズレる、これってバグ?的な不思議な写真となります。

F8.5
1/289s
プログラムAE
この写真みたいに青味が強く出てきたり、時には黄色くなったみたり、非常に不安定。よって、うまく写っているかはパソコンの画面で確認するまでは分かりません。それよりかはマニュアル露出で撮影した方が、失敗は少なくなってくれるのであります。しかし不思議なカメラなのだ。





F11
1/500s

F8.5
1/250s


レンズの解像力は少々物足りなく、200万画素のカメラにしては多少文句もつけたくなるところでありますが、レンズの特徴として、偏向(PL)フィルターを付けたような感じに写ります。肉眼ではただの一枚の雲に見えているのが、上の写真のように、雲の細かな模様が表現できる点はなかなか良いです。「細かな表現」と言っても、解像力が増えるのではなく、普通は乱反射で見えていない雲のディテールが浮き上がって見えるというもの。但し、露出補正は−1.0EVなんで、かなりダーキーな雰囲気になっています。これより明るいと雲のディテールはぶっ飛びます。


どちらかと言えば、このカメラの場合、太陽直下の明るいシーンよりも、日陰や淡い光のシーンに向いています。ほとんどのデジタルカメラって、太陽の出ている屋外のシーンで抜群の色合いや性能を引き出せるように出来ていますが、EI−2000は明るすぎると色調が不安定になり、ラティチュードのハイキーな部分のマージンが少なく、すぐに白飛びしてしまいまい得意では有りません。日陰などのシーンだと、他のデジカメの場合、色調は良いのですが、ノイズが暗部に浮いてきてしまいます。よってザラザラと汚くなってしまうのですが、EI−2000は伝家の宝刀ISO感度25および50の設定が出来るので、低光度時にも感度を低くする事により、ノイズの発生を抑制しつつ、適度な階調を維持できるカメラです。
下の鈴の写真が良い例でしょう。
なお、このページはすべてISO感度50で撮影しています(プログラムAEの写真は除く)。三脚を使えば、淡い光のシーンでISO感度25の更なる低ノイズ写真も撮影出来るのもメリットと言えます。むしろそちらの方がお得意のカメラと言えるでしょう。



F3.6
1/30s

2001年8月6日
デジタルカメラ大実験