トキナーのテレコン
VSC−18PRO
を使ってみる!



トキナー光学からその昔に発売されていた「VSC−18PRO」と言う型番のテレコンがあります。すでに生産終了していますが、ヤフーのオークションでもたまに出品されており、5000円〜7000円で手に入る比較的手頃なテレコンです。そこで、デジ研ネットでもサンプルに1個手に入れて使ってみることにしました。

これはビデオカメラ用に設計されたテレコンで、撮影倍率は「1.8倍」となります。仕様書を見ると光学6倍ズーム機用に設計されていると書かれていますが、ビデオカメラとデジタルスチルカメラではレンズの分解性能が余りに違いすぎるので、実際、デジタルスチルカメラ用に使う限界値は光学3倍ズーム機に取り付ける程度となるでしょう。


テレコン本体
ちなみに、ボディーにはどこにも
「VSC−18PRO」
の刻印は無い。


テレコン裏面の図
マウント径は49mm。
接眼部は30mmレンズ。

テレコンの前玉レンズは58mm径のフィルターネジが切ってあるので、遮光フードを取り付けることが可能。カメラ側のマウント径は49mm。これは丁度オリンパスのC-2100UZやE-100RSのフィルター系と合致しますが、後々のサンプル画像の通り、とてもじゃないけど10倍ズーム機になんか取り付けて使える代物じゃ有りません。
とは言え、3倍ズーム機ならばそこそこ良い結果が出ています。カメラ側の接眼レンズが30mm有ります。結構大きいです。これならばケラレの問題とレンズの周辺収差の問題もそこそこ良い結果が出るかなと思い、最初は3倍ズームのオリンパスC-2500Lに手持ちのステップアップリングを噛まして取り付けたところ、見事ケラレました(笑)。ダメです使えません。マズイと言う思いが頭によぎります。C-2500Lのレンズってそんなに大きくないのに、ケラレてるんです。これだと、ほとんどの同サイズレンズを搭載したデジカメに取り付け不可能かと思ってしまいました。

そこで、今度は東芝のAllegrettoM70に取付です。
実はこのテレコン、マトモなセット品を手に入れられれば、

・52mmからのステップダウンリング
・46mmからのステップアップリング

の2つの「おまけ」がついてきます。
46mm径のデジカメはほとんど見かけませんが、52mm径はかなり多く、M70のコンバージョンレンズアダプタも52mm径なので、このステップダウンリングを間に噛ませて装着です。




M70で使うコンバージョンレンズアダプタ(SONY製 VAD-S70)と、
「おまけ」の52mmからのステップダウンリングの図



レンズ部を組み立てた図



AllerettoM70へ取り付けた図


このテレコン、グリップのデザインが格好良いんで、なかなか気に入った雄姿を醸し出しています。大きさ的にもグーです。結果的にケラレは全く有りませんでした。C2500Lには手持ちのステップアップリングとの相性が悪かったのでしょう。M70は標準的なキヤノンレンズで、他社カメラにも多く採用されています。

ちなみに、テレコンのレンズ構成は3群3枚、重さは93g、全長38mmです。

では、実写撮影で画質検証してみましょう。


テレコン無し テレコン装着

テレコン無しです。
元々、レンズ周辺部での色収差はありますが、だいたい平均的な300万画素画像。

テレコン装着。
テレ端での撮影です。画像周辺部では画像の流れと色収差が発生。但し、中央部の画質はかなり良好です。


実写撮影例

普通に撮ってしまうと画像周辺部の収差が気になりますが、レンズ中央部に被写体を置き、周りを手前の被写体に被せて撮影した例。

画像の隅々までピントを合わせる風景写真には向かないものの、この様に手前の被写体にピントを置き、前後をボカせば収差はほとんどわかりません。望遠側に焦点距離が伸びているので背景の圧縮効果も大きいです。



最後に10倍ズームのオリンパスE−100RSに装着。


E−100RSに装着した撮影例

上記写真をご覧くださる通り、明暗差の境目の部分のほとんどで色収差が盛大に発生していました。結果、このテレコンは3倍ズーム機で限られた撮影構図によってはそこそこ使えるテレコンで、背伸びしない程度に使うのがベストです。

余談ですが、実はEI-2000との相性は結構良いです。レンズマウント49mm径なのでそのまま装着でき、装着図も格好良いんで、次回実写サンプルと一緒にレポートします。


2002年4月4日