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デジタルカメラ研究マガジン
ペンタックス *istD
マニュアルフォーカスレンズ
PENTAX-A 50mm F2.0 編
ペンタックスが初めて出した一眼レフデジタルカメラが「*ist D」です。このレポートを書いているのが2008年6月なので、今から5年も前になります。当時はニコン D100 、キヤノン 10D 、そしてオリンパス E-1 などが登場した頃。どれも「名機」と呼ばれる良いカメラですが、デジタルな機材は時間と完全に比例して値打ちが下がってきます。いずれも20万円を超えたなかなか手に届かないカメラだったのに、今では中古で2〜3万円台、、。デジ研も今回紹介する *istD がネットショップに2万円で販売されており、一台購入しました。
デジタル分野は日進月歩ですから、最新の機種ほど機能もスペックも良くなっています。但し、それに機械的な部分、つまりはカメラのパーツが組み合わされると、「古い機種=悪い」の方程式は当てはまらなくなります。そのひとつがやはりこの *istD ではないでしょうか。
ペンタックスは *istD を発売後、次々に新機種をリリースしていきます。しかし、純粋な *istD の後継機は存在しない。いや、多分、ペンタックスの答えとしては K10D や K20D なのでしょう。但し、これは確かに機能的に *istD の後継機であっても、大きくて重いボディーになってしまってます。では、K100D や K200Dは大きさも重さもそっくりではないか?と問われるでしょうが、まず根本的な違いはファインダーを覗いた時に分かります。*istD はガラス式ペンタプリズムなのに対し、K100DやK200D はペンタミラー。倍率も0.95倍に対し、0.85倍と完全にスペックダウン。ミラー式でもペンタックスのカメラはとしても見易いのですが、ガラスプリズムとは全く違う。
以前、*istDS 及び *istDS2 の2機種がリリースされています。彼らは *istD のガラスプリズムファインダーをそのまま搭載し、ボディーサイズや重量も更にシェイプアップさせた正真正銘の「後継機」につながって行くと思われましたが、実はメカニカルな部分の「シャッター構造」を簡易な物に変更し、機能の部分としてのソフトウェアをファミリータイプに書き直してしまった「弟分」です。
こういう経緯を踏まえると、デジタル一眼レフ初号機の *istD は、決して見劣りするカメラではなく、言わばプレミアが付いてもおかしくない唯一のカメラに仕上がっていると思います。

*istDを手に持つと分かりますが、予想以上にズッシリしている。これはステンレスシャシーが骨格を形成している為で、最近の強化プラスチック製のボディーを持つ各社小型デジタル一眼レフとは質感が違います。当時の発売価格が20万円、贅沢な仕様で作れたのに対し、最近は新製品でも7万円で販売される時代。この価格差が質感や内部の見えないこだわりにも繋がっていたのでしょう。

まあ、ウンチクはこれぐらいにしまして(笑)、今回は PENTAX-A 50mm F2.0 を装着して撮影してみました。


*istD に PEMTAX-A 50mm F2.0 を装着
パンケーキレンズと呼んでもおかしくない薄さ。
PENTAX-A レンズの為、フォーカスは手動ですがそれ以外のAEはすべてカメラと連動し(電子接点がある)、プログラムAEを使うことが出来ます。ペンタプリズムファインダーの *istD との組み合わせなら、マニュアルな部分を残しながらカメラの電子機能がサポートしてくれる楽しいスナップカメラになってくれるでしょう。何より、古いレンズほど質感が良いですね。


+-0 EV

-1.0 EV
いつもの猫ちゃんの溜まり場に持って行き何枚か撮影すると、露出がかなりオーバーに。これは古いレンズを使うと起こる現象です。レンズの種類や、絞り値によっても露出補正が必要になってくる場合もあります。オートフォーカスの効かない古いレンズを取り付けると、カメラの多分割測光システムが作動しなくなる為と、レンズデータがカメラ側に伝わらないので露出が合わないようで。特に PENTAX-M レンズのような完全に電子接点が無いレンズや、他のマウントレンズを取り付けたときには露出補正は必需になってきます。その場合、開放F値がカメラボディにデータとして伝わってないので、測光値と絞りの関係がうまく補正されてないみたい。PENTAX-Aの場合はその点、最低限のデータはカメラに送られている訳だから、どうなんだろうね。レンズの個体差なのかな。今回は以下、すべて-0.7EVに露出補正して撮影してみました。

絞りと描写の関係

F2.0

F2.8

F4.0

F5.6

F8.0

PENTAX-A 50mm F2.0は絞り羽が6枚のスタンダードなレンズ。普及タイプだったわけで、写りがとても良いとは言いがたい。有る程度絞らないとシッカリした絵にはならないのと、偽色の発生も顕著。こう言っては何ですが、プログラムAEは出来なくてもPENTAX-M 50mm F1.4 のほうが写りは良いです。
まあ、細かいことはさておいて、*istD のファインダーを覗きながらマニュアルフォーカスでスナップしていくのは楽しいことには間違えない。参考までに、ネコちゃんの写真を掲載しておきます。




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