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デジタルカメラ研究マガジン
ペンタックス K100D & オリンパス E-510
SIGMA 50mm F2.8 Macro
Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
撮影比較 編
ペンタックス K100D に SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX を取り付け、
オリンパス E-510 に Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro を取り付け、
それぞれ撮影してみました。
どちらも画角約70mm相当になるマクロレンズです。

ちなみに、SIGMA MACRO 50mm F2.8 EXは最新のDG化されている物ではなく、一つ前のタイプです。レンズコーティングに違いが有りますが、構造自体は同じと思います。

K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX
画角 76.5mm(35mm換算)
E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
画角 70mm(35mm換算)
同じ地点から撮影すると、横のイメージは同じ範囲に収まっています。
さすがにフォーサーズのE-510は縦方向に画像が大きくなっています。
今から10年弱前、一般ユーザー向けのデジカメが生まれたときから「3:2」か「4:3」かの議論はありました。オリンパスは一眼レフ型初号機のC1400Lから「4:3」で、その頃のデジカメトップメーカーだったフジフイルムは「3:2」。ワイドな「3:2」が良いという人も有れば、同じ画角ならば、「3:2」は単に「4:3」の上下を切っただけであって、情報量は「4:3」の方が上だとする意見も有ります。ややこしい?(笑)
今みたいに600万画素以上、1000万画素まで画素数が豊富ならば違った考えにもなるんですけれど、当時は35万画素とか41万画素の時代で、少しでも画像の情報量が欲しかった訳ですから、この上下のサイズが有る無しではかなりの違いだったのでした。今はレンズの性能から考えて、左右にワイドにするよりも、上下方向にも伸ばしてイメージを切り取ったほうが良いとするならば「4:3」はベストな選択肢です。但し、テレビが横長ワイドのハイビジョンになって来たのに逆行した感じで違和感を覚える人も少なくないと思います。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
ここで整理すると、K100D は 約1.5倍の焦点距離、E-510 は2倍の焦点距離換算になります。
換算後の焦点距離は同じ約70mmとなってますが、もともとはそれぞれ 50mm と 35mm だったわけで、結果大きく違う「見え方」が存在するのですよ。 上の画像を見比べれば、背景のボケ味が違っているのに気がつかれるでしょう。 だいたい同じ絞り値で撮っているにも関わらず、50mmで撮ったほうが背景のボケ味が大きいです。つまりは、フォーサーズの場合もともと焦点距離35mmで撮った写真を単に中心部のみ切り取っているだけで70mm(相当)に換算されたわけですから、E-510で撮影した画像はボケ味が少ないのが宿命です。シチュエーションによっては焦点距離2倍のフォーサーズ最大の弱点ともなります。
しかし、メリットもあります。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
同じマクロで撮影しても、実質35mm で撮っている E-510 は被写界深度が不必要に浅くなりすぎず、「撮りやすい」のも事実。マクロ撮影や望遠撮影、風景撮影にはもってこいのシステムです。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
逆光にて撮影。
今回使ったシグマはDG化されていないので、多少なりとも現行レンズとは違うハズです。が、それにしてもハレーションが盛大。反対に、Zuiko Digital は完璧だね。この 35mm F3.5 Macro はスタンダードレンズの部類に入り、ガラス自体も全くノーマル(ED不使用)レンズで構成されているのに、よくぞここまで計算された光の導き方をしたもんです。まるでPLフィルターを被せたような安定感がレンズにあるから「オリンパスブルー」と呼ばれる空や海の色が出るひとつの要因にもなっているかもしれませんね。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
空の色をチェック。
青を濃くするため、どちらも -0.3EV補正してあります。
派手な発色ならばペンタックスも負けていません。
ペンタックスはずっと同じ600万画素のCCDを使い続けてきています。
*istD が落ち着いた色だったのに *istDS でいきなり派手な発色になり、まるでコンパクトデジカメだと酷評され、K100D は派手さを残しつつカリカリ感を薄めて「一眼レフ」らしい出力に仕上げてきました。同じCCD(進化はしてます)のチューニングに完成度が出てきた結果と言えるでしょう。とても良いステップだと思います。
余談ですが、このある意味完成型の K100D も2008年1月現在、新品のレンズキットが5万円程度で売られているのを見ると、なんかもったえない気がします。K100D Super 移行への在庫処分も兼ねてなのかな。良いボディなんだけど、やっぱり欠点はレンズを揃えなければ何にもならないこと。これはフォーサーズのオリンパスも同じで、キヤノンやニコンを使ってた人がペンタやオリンパスのカメラ買ったら、それなりにお金かかるもんねぇ、、。ま、何といっても安いに越したことは無いが。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
マクロテスト。
K100Dはそのままで、E-510は +1.0EVにしています。カメラの液晶画面で確認したときはだいたい同じ程度の明るさだったけれど、パソコンで見比べたら K100D も +0.3EV ぐらい盛ってあげれば良かったですね。いずれもオートホワイトバランスです。実際の色は E-510の画像に近かったので、K100D は少しマゼンタっぽく写ってしまいました。


K100D SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX

E-510 Zuiko Digital 35mm F3.5 Macro
レンズ最高倍率(等倍 1:1)にて撮影。
色味はホワイトバランスで変わるので今回は気にしないとして。
K100DはCCDのサイズで 1.56倍となります。フォーサーズの E-510 は2倍。
ちょうどそのまんまの見え方になった結果です。
同じ約70mm相当の焦点距離レンズで、非マクロ領域では同じ画角で見えていたものが、今度は等倍にマクロした場合にはフォーサーズの方がより被写体を大きく捕らえることが可能となる、これが結論となります。

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