デジタルスチルカメラ専門 面白実験&コミュニティーサイト  Powered by Digiken-net
デジタルカメラ研究マガジン

フジフイルム
FinePix S602
「オートフォーカスの注意点」


最初に書いておきますが、
「マニュアルは熟読すべし」
です。このカメラの場合。

FinePixS602の「目玉」と言うべき機能が、
・パッシブ方式外光式センサー
・TTLコントラスト方式
の2つのAF機能を使ったハイスピードツインAF機能です。


丸印がパッシブ方式外光式センサー

上の写真の丸く囲った部分に「パッシブ方式外光式センサー」が付いています。これは、赤外線を被写体に照射してその反射から距離を測距するセンサーでして、S602ではTTLコントラスト方式の「補助」として働いています。
但し、これが曲者で、気をつけないと測距が遅くなる原因にもなるので、以下の点に注意してください。



S602に専用アダプターリングとレンズガードフィルタ、
それら望遠用のレンズフードを取り付けたところ。
2本線はパッシブ方式外光式センサーの照射部分。

S602のレンズは迫り出し式で、しかも貴重なマルチレンズコーティングが施されています。なので雨に濡れたり潮風にあたったりすれば、コーティングもレンズ駆動部も痛みが激しくなります。
そこで、ボディーが大きくなりますが、レンズ保護を考えれば専用のアダプターリング(AR−FX9)にレンズガードフィルターを常時取り付けて利用したいです。この場合はそのまま問題なく使えます。
しかし、、

レンズフードを使えない!

と言うのも、上の写真で示したパッシブ方式外光式センサーの位置がレンズ真上にありますので、標準レンズ用のレンズフードを取り付けると、パッシブ方式外光式センサーを遮る形になり、測距出来なくなります
パッシブ方式外光式センサーが使えなくなると測距スピードが低下し、そのままカメラのアダプタ設定をしていないで利用すると測距ミスにもつながります。

そこで私の場合は望遠撮影時のみ望遠用のレンズフードを取り付けて使うことにしています。広角〜中間にかけてのズーミングも使うときは最初から外して使うか、アダプタ設定を「なし」に設定して使います。面倒です。

設定は、カメラのモードダイヤルを「SET」にしてから、



アダプタ設定を「あり」にセットします。



こうするとパッシブ方式外光式センサーがOFFになって、従来どおりのTTLコントラスト方式のみになります。(AFスピードは落ちます

また、



AFモードを「エリア選択AF」にセットしてもパッシブ方式外光式センサーはOFFになります。



撮影画面上では、中心のフォーカスエリアが上記の形になっているときはパッシブ方式外光式センサーが働いていません。この場合、AFスピードは低速になり、このカメラの性能をフルに発揮出来ていません。

なお、



AFモードが「AF」
アダプタ設定が「なし」
の場合は、



上記のフォーカスマークが現れ、パッシブ方式外光式センサーが作動します。
高速AFモードになります

ちなみにこのパッシブ方式外光式センサーはTTLコントラスト方式の「補助」でしかありません。よって、ツインAFが作動していても、TTLコントラスト方式で測距に失敗するシーンがあった場合、カメラは「測距不能」の警告を発しピントが合わない状態になります。室内のシーン(私は結婚式場で散々測距不能に陥ってしまった)や、コントラストのはっきりしない被写体、横線が含まれる被写体では測距不能のマークが出て全体がピンボケになります。

出来ればパッシブ方式外光式センサーだって測距はしているのですから、測距不能ではなく、おおまかなピントあわせはして欲しかったです。

2002年4月22日