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デジタルカメラ研究マガジン デジタルカメラ大実験

MINOLTA
DiMAGE X20
マクロで撮る PART 2

前回、 マクロ性能を検証でも触れましたが、この小型のスナップカメラ、意外にも相当のマクロなデジカメだったのです。公称では10センチマクロのはずが、実際は光学3倍テレ端にてレンズ前45mmまで寄れる性能は、クローズアップレンズを取り付けたのと同じレベルなのです。
それもこのコンパクトなボディでここまで寄れるのであれば、「マクロ好き」のサブカメラとして常時持ち歩くのに不足も無いし、何より最低限のカメラ本体だけでマクロ領域を気軽に撮影できるのは大変に嬉しいです。まさにライトウエイトマクロデジカメの新ジャンルになるでしょう。

以下に掲載している画像はいずれも光学ズームのテレ端にて撮ったもの。このカメラの特徴としてマクロポジションが無いため、無限遠からここまでの接写がシームレスにAFされるのは便利、と言うか凄い。
但し弱点も有って、最大の欠点はAFエリアが巨大。つまりはスポットAF出来ないため、優秀な広域エリアAFを持ってしてもピンポイントで思ったところに合焦させるのが出来ません。マクロ以外なスナップ撮影時には中抜けを防ぎバシバシ撮れるメリットがこのカメラのターゲットであるデジカメ初心者にはもってこいの好都合になってますが、超マクロの撮影には不向きになります。つまりは超マクロな撮影なんて設計時に考慮されてなかったのでしょう。

標準的なデジカメならば3倍ズームのテレ端でマクロ性能は被写体まで20センチ。それならば一輪の花にピントを合わせて撮る事はとても簡単。しかし、もっとグググっと被写体によって花の中身、つまりはシベを撮る事が出来るこのカメラの場合、ピントはカメラ任せ、AFエリア内の何処に合うかが全く分からない。どこかには確実に合っているのには間違いないけれど、合わせたいところに合わせられない。
なんとももどかしい。

よって同じ構図を何度も撮るべし撮るべし撮るべし。後でパソコンのモニターで確認してピントの正確な位置を知ることになります。なので保険の意味合いも込めて撮るべし撮るべし撮るべし。何枚も撮っておくのであります。

カメラ本体のレンズが小さいので画質面まで多大な期待をするのは酷な話ですが、このカメラでの出力はなかなか良い。勿論レンズ周辺部に行くに従って画像の歪みと色の滲みが増大して来ます。但しマクロ撮影にしてみれば、結局はピントが合っているのはどこか一点であってそれ以外はボケ味と化してくれます。X20の出力画像を見ると、1.5倍に拡大しても中心部の解像感は満足行きます。勿論、画質モードは「FINE」で撮ることも忘れずに。
その昔、まだデジカメの出力が35万画素だった頃の話で、当時のカメラで撮影した画像は解像力が無く風景には不向きであったため、私は「マクロ」の道に進むことになったのです。X20は200万画素ですから昔に比べれば格段に画素数は多いにせよ最新の400万画素を超える機種と比較すればとても太刀打ちできません。ならばこの今時代にも当てはまるのが「画素が少なければマクロを撮れ」なんですよ。
画素数の少なさや画像周辺部のレンズの非力さを補うならばマクロ撮影がオススメです。これはX20に限ったことではなく、全般的に。

以下、共通画像データ
プログラムAE
WB AUTO
ISO感度 AUTO
画質モード FINE
各画像はクリックすると元画像を表示します。




この画像のみ画質モード「NORMAL」









2003年9月21日
デジタルカメラ大実験